はじめに
ご家族がお亡くなりになり、深い悲しみと慌ただしさの中で、今後の手続きに大きな不安を抱えていらっしゃる方も多いと思います。
相続の手続きを進めるにあたり、まず直面するのが「遺言書を残していたのだろうか?」という疑問です。遺言書の有無によって、預金の解約や不動産の名義変更といった手続きの流れが大きく変わります。しかし、「どこを探せばいいのか分からない」「もし見つけても、どう扱えばいいのか怖い」と悩まれる方も少なくありません。
この記事では、お亡くなりになった方の遺言書があるかどうかを確認する手順と、注意点について、行政書士が分かりやすく解説します。
お亡くなりになった方の遺言書を確認する3つの手順
遺言書の確認は、手探りで家中をくまなく探し回らなければならないわけではありません。まずは公的なシステムを利用して、確実かつスムーズに確認していくことが大切です。
1. 公証役場で「公正証書遺言」を探す
お亡くなりになった方が公証役場で「公正証書遺言」を作成していた場合、日本公証人連合会の「遺言検索システム」を利用して探すことができます。
平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、全国どこの公証役場でも検索が可能です。
※ 東京公証人会や大阪公証人会に所属する公証役場で作成されたものなど、地域によっては独自に
それ以前のデータを検索・照会できる場合もあります。
相続人などの利害関係人であれば、お亡くなりになった方の死亡がわかる戸籍やご自身の身分証明書を持参することで、無料で検索できます。
※検索自体は無料ですが、検索で遺言書が見つかり、謄本の交付や原本を閲覧する場合は費用がかかります。
2. 法務局で「法務局保管の自筆証書遺言」を探す
2020年7月から、ご自身で書いた遺言書(自筆証書遺言)を法務局で保管してもらえる制度が始まりました。
お亡くなりになった方がこの制度を利用していた場合、全国の法務局で「遺言書保管事実証明書」を請求することで、遺言書が保管されているかどうかを確認できます。
※「遺言書保管事実証明書」の交付請求にかかる手数料は、1通につき800円です。なお、実際に保管されていることが判明した後に、遺言書の内容(画像等)を確認・取得するには「遺言書情報証明書(1通1,400円)」を別途請求することになります。
3. ご自宅や貸金庫を探す
公証役場や法務局で見つからなかった場合は、ご自宅の金庫や書斎の引き出しなどを慎重に確認します。
また、銀行の貸金庫に大切な書類を保管しているケースもありますので、金融機関への確認も必要になります。
【重要】遺言書を見つけた際の注意点
もし、ご自宅や貸金庫などから手書きの遺言書(自筆証書遺言)を見つけた場合、やってはいけない注意点があります。
家庭裁判所での「検認」手続きを行う必要があります
ご自宅や貸金庫などで見つけた自筆証書遺言は、家庭裁判所に持ち込んで「検認」という手続きを受ける必要があります。
これは、遺言書の状態を確認し、その後の偽造や変造を防ぐための大切な手続きです。
ただし、この申し立てには、お亡くなりになった方の出生から死亡までのすべての戸籍や、相続人全員の戸籍を集める必要があり、非常に手間と時間がかかります。
※遺言書の検認手続きについては、司法書士先生、弁護士先生にご依頼いただくことになります。
なお、「公正証書遺言」や「法務局に保管された自筆証書遺言」の場合は、この検認手続きは不要です。
ご自身で勝手に開封するのは絶対にNG
封がされている遺言書を見つけると、つい「何が書いてあるのだろう」と開けたくなりますが、そのまま開けてはいけません。
民法のルールでは、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人の立ち会いのもとでなければ開封してはいけないと厳格に定められています。
これに違反してご自身で開封してしまうと、5万円以下の過料(罰金のようなもの)を科される可能性があります。
さらに、「自分に都合の良いように中身を書き換えたのでは?」と、後々のご親族間でのトラブルに発展する恐れもあります。
相続手続きで大きな負担を抱え込まないために
遺言書の確認から始まり、戸籍の収集、裁判所への申し立て、そして各金融機関や不動産の名義変更と、相続手続きは非常に煩雑です。
「自分でやった方がお金がかからないから」とご無理をされた結果、役所の窓口で何度も書類の不備を指摘され、貴重な時間を使ってしまうばかりか、体力的にも疲れてしまうことも少なくありません。
専門家である行政書士に依頼すれば、公証役場や法務局での遺言書の調査、全国から取り寄せる膨大な戸籍の収集、遺産分割協議書の作成や金融機関とのやり取り等、負担の大きい手続きを丸ごと任せることが可能です。
つまりプロに任せることで、結果として楽に相続業務を進めることができます。
「何から手をつけていいか分からない」「平日は仕事で時間がない」と悩まれたら、一人で抱え込まず、まずは当事務所にご相談ください。
※不動産の相続登記手続きにつきましては、提携する司法書士と連携してワンストップでサポートいたします。
皆様の状況に優しく寄り添い、一番スムーズで安心できる道筋をご提案いたします。
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