(第二章)
遺言書で相続手続きの負担を減らしましょう!
知っておくべき「遺留分」のルールとは?
前回の記事では、遺言書がない場合の金融機関などでの相続手続きが、煩雑で時間がかかることをお伝えしました。
では、もし生前に「遺言書」を準備してくれていたら、その負担はどうなるのでしょうか?
結論から言いますと、金融機関の窓口に提出する書類が減り、手間もかなり省けるため、手続きはかなりスムーズになります。
今回は、遺言書がもたらす効果と、遺言書を作る際に絶対に知っておきたい「遺留分」というルールについて、分かりやすく解説していきます。
1.遺言書があると、金融機関での手続きはどう変わるのでしょう?
①他のご家族の印鑑証明書が不要になります。
遺言書がない場合、金融機関で預金を解約するには「相続人全員の同意」を証明するため、全員分の印鑑証明書を集める必要がありました。
しかし、きちんとした遺言書で「長男の〇〇にこの預金を相続させる」と指定されていれば、話は変わります。
民法のルール上、遺言書で指定された財産は、亡くなられた時から直接その方に引き継がれます(民法第985条)。
金融機関側も「誰に渡せば良いか」が明確になるため、他のご家族の印鑑証明書を求める必要がなくなることから、印鑑証明書を収集する手間がなくなるのです。
②窓口でのやり取りが減り、大切な自分の時間を守れます。
提出する書類が減るということは、それだけ窓口での確認作業も早く終わるということです。
何度も銀行へ足を運んだり、窓口で待たされたりすることが減り、お仕事やご家庭の用事など、ご自身の日常を守ることに繋がります。
2.どんな遺言書でもいいの?知っておきたい2つの形式
遺言書と一口に言っても、代表的なものに「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つがあります。どちらを選ぶかで、相続時のご家族の手間が変わってきます。
①手軽に書ける「自筆証書遺言」と、その注意点
ご自身で紙とペンを用意して書くのが「自筆証書遺言」です。
手軽に書けるメリットがありますが、相続時に遺言書を見つけたご家族は、銀行へ行く前に家庭裁判所で「検認(けんにん)」という確認の手続きを経なければならず、ここで時間がかかってしまう点に注意が必要です。
※「自筆証書遺言書保管制度」を活用することで、検認の手続きを省くことができます。
②確実でその後の手続きも負担の少ない「公正証書遺言」
公証役場という公的な場所で、専門家である公証人に作成してもらうのが「公正証書遺言」です。
家庭裁判所での「検認」手続きが不要なため、ご家族は遺言書を受け取ったらすぐに金融機関での手続きを始めることができます。
ご家族の負担を減らすという意味では、安心な方法と言えるでしょう。
3.「遺留分」には気をつけて!
遺言書があれば万事解決かというと、実はそうではありません。
例えば特定の相続人に「すべて相続させる」といった内容の遺言書を残した場合、他の相続人の方が「少しは自分にも権利があるはずだ」と不満を持つことがあります。
法律(民法)でも、残された配偶者やお子様の今後の生活を守るために、「遺留分」という最低限の財産を受け取る権利が保障されています(民法第1042条)。
この権利を無視した遺言書を作ってしまうと、亡くなられた後に相続人の間で「遺留分を支払ってほしい」というトラブルに発展してしまう恐れがあるのです。
遺言書を作る最大の目的は、ご自身の想いを伝えるとともに「残された家族が揉めないようにすること」です。
そのためには、法律上のルールである「遺留分」に配慮し、誰もが納得しやすい内容で作成することが大切です。
まとめ:遺言書は残された家族の「時間と心」を守る最高のお守り
生前に遺言書を準備しておくことは、残されるご家族にとって最高のお守りとなります。煩雑な銀行手続きからご家族を解放し、お仕事や日常の時間を守ることにつながるからです。
とはいえ、「遺留分に配慮した確実な遺言書」をご自身だけで作成するのは、法律の知識が必要となり大変です。
そのような時こそ、「行政書士」にお任せください。
あなたの想いをしっかりと伺いながら、ご家族への配慮を行き届かせた法的に間違いのない遺言書作りから、その後の面倒な相続手続きまで、すべてをサポートいたします。
無理をしてしまう前に、ぜひお気軽にご相談ください。
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