自分で書いた遺言書で失敗したくない方へ 法務局の保管制度にかかる費用と、検認不要になる安心の活用法

「自分が亡くなったあと、家族が財産の分け方で揉めないように遺言書を残しておきたい」

そう思い立って、ノートやペンを用意してみたものの……

「手書きのルールがすごく厳しくて、間違えたら無効になると聞いて不安……」 「残された
家族が、家庭裁判所で『検認』とかいう面倒な手続きをしなきゃいけないの?」

そんな疑問や不安が頭をよぎり、結局筆が止まってしまっていませんか?

ご家族を想う温かいお気持ちからスタートしたのに、法律のルールの難しさのせいで諦めて
しまうのは、本当にもったいないことです。

実は今、自分で書く遺言書の「書き方の不安」と「死後の手続きの負担」をまとめて解消して
くれる、国の仕組みがあるのをご存じでしょうか?

今回は、その注目の仕組みである「自筆証書遺言書保管制度」のメリットと費用について、
行政書士がやさしく解説します。

1.自分で書く遺言書、
  「ちょっと心配だな…」と立ち止まっていませんか?

自分で紙とペンを用意して書く遺言書のことを、法律用語で「自筆証書遺言」と呼びます。
思い立ったときに自宅で書けるのが魅力ですが、いざ書こうとすると次の「2つの心配事」に
ぶつかることが少なくありません。

①「書き方のルール、ちゃんと守れているかな?」という不安

日本の民法では、手書きの遺言書について非常に細かいルールが定められています。
  ・全文を必ず自分の手で書くこと(パソコン作成は財産目録を除きNG)
  ・作成した「日付(〇年〇月〇日)」を正確に書くこと
  ・氏名を書いて、印鑑を押すこと

「えっ、それだけ?」と思われるかもしれませんが、例えば日付に「〇年〇月吉日」と書いた
場合、正確な日付が判明できないため、法律上は「無効」になってしまいます。

なぜなら民法において、遺言者が生きている間はいつでも何度でも、新しい遺言書を作成して
古いものを撤回・書き直しできると定められており(民法1022条)、その場合新しい遺言書が
優先されるため(民法1023条)、正確な日付が分からないと、どの遺言書が新しいのか分から
なくなるからです。

せっかく家族のために残した遺言書が、たった1つの書き間違いで使えなくなってしまうのは
本当に怖いですよね。

② 残された家族にかかる「検認手続き」という負担

無事に遺言書を書き上げ、自宅の引き出しに保管していたとします。しかし、あなたが亡く
なったあと、その遺言書を見つけたご家族には「検認(けんにん)」という家庭裁判所での
手続きが待っています。

【検認(けんにん)とは?】
家庭裁判所に遺言書を持ち込み、裁判官(または裁判所書記官)や相続人の立ち会いのもと
で、「遺言書が確かに存在すること」「その時点での遺言書の状態」を明確にして、今後の
偽造や改ざんを防ぐための手続きです(※相続人が全員出席しなくても実施できます)。

自宅等で保管されていた自筆証書遺言などは、この検認を受けない限り、銀行の預金を解約
したり、自宅の名義を変更したりすることができません。

また、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会いがなければ開封
できないと定められています。

なお、検認を受けるためには「亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本」や
「相続人全員の戸籍謄本」を集め、裁判所に申し立ててから1〜2ヶ月程度待つ必要があります。

悲しみの中にいるご家族にとって、この手続きは精神的・時間的負担になってしまうのです。

2.不安と負担を一気に解消!「法務局の遺言書保管制度」の費用と
  メリット

「手書きのルール違反で無効になるのが怖い」「自分が死んだあと、家族に面倒な検認手続き
をさせたくない」

そんなお悩みを解決するために2020年から始まったのが、法務局による「自筆証書遺言書保管
制度」です。

【法務局での保管費用は】
まず気になるのが費用面ですよね。 法務局で遺言書を保管してもらう際にかかる手数料は、
遺言書1通につき「3,900円」です(※収入印紙で支払います)。

「公的機関で安全に預かってもらえる」と考えると、手頃で利用しやすい費用設定となって
います。この費用で、次のような大きなメリットが得られます。

メリット①:法務局の窓口で「形式チェック」をしてもらえる

法務局に遺言書を持ち込むと、窓口において「日付が抜けていないか」「署名や押印があるか」
「余白のサイズが指定通りか」といった、法律上の外見ルールを満たしているかその場で確認
してくれます。これにより、「うっかりミスで無効になる」というリスクをほぼゼロにできます。

メリット②:亡くなった後の家庭裁判所での「検認」が不要になる

この制度最大のメリットがこれです。国が厳重に保管してくれるため、改ざんや隠蔽の心配が
ありません。そのため、法律上、家庭裁判所での「検認手続き」が完全に免除されます。 ご家族
は、あなたが亡くなったあとにご家族は、法務局へ行き、遺言書を閲覧したり、遺言書情報証明書
の交付を受けることができ、すぐに銀行や役所の手続きを進められるようになるのです。

メリット③:紛失や改ざんのリスクがゼロになる

自宅で保管していると「うっかり捨ててしまった」「誰かに書き換えられた」「他の相続人に隠さ
れた」といったトラブルが起きることがあります。法務局に預けておけば、原本は厳重に保管され、
データでも保存されるため、失われる心配がありません。

また遺言者が指定した場合、遺言者が亡くなった際、指定した相続人に通知をすることもできます。

3.保管制度を使えばすべて安心?見落としがちな「最後の落とし穴」

「保管費用も3,900円と安いし、法務局に預ければ自分一人で遺言書を作っても完璧じゃないか!」
と思われるかもしれません。 しかし、ここには見落としがちな落とし穴があります。

①法務局は「遺言書の中身(文章の意味)」までは見てくれません

法務局が確認してくれるのは、あくまで「日付があるか」「ハンコがあるか」「日付・氏名があるか」
という見た目の形式だけです。

 ・「この文章の表現で、本当に不動産の登記手続きができるか?」
 ・「この分け方をしたら、残された子ども同士で喧嘩にならないか?」

といった「遺言書の中身(法律的な効果や分け方の妥当性)」については、法務局は一切チェックも
アドバイスもしてくれません。

②法務局は「遺言書の中身」をチェックしてくれないので、「遺留分」や「あいまいな表現」に
 ついても、指摘をしてくれません

自分一人で中身を考えて書いた場合、形式は正しくても「遺言書の中身」が原因で家族間で争いになって
しまうことがあります。

たとえば、法律には「遺留分(いりゅうぶん)」というルールがあります。

【遺留分(いりゅうぶん)とは?】
残された配偶者やお子さんなどに、法律上最低限保障されている「財産の最低限の分け前」のことです。

もし遺言書に「長男にすべての財産を相続させる」とだけ書いた場合、次男や三男から「僕たちの最低限
の分け前(遺留分)を長男からお金で返してほしい!」ということになり、結果兄弟仲が悪くなってしまう
ことがあります。

また、「自宅の土地建物は長男に任せる」といった曖昧な表現をしてしまったために、銀行や法務局から
「『任せる』では、あげたのか管理を頼んだのか分からないので手続きできません」と拒否されてしまう
ケースも起きています。

4.行政書士に相談するのが「結局一番ラクで安心」な3つの理由

「自分で法律を調べて、間違えないように下書きして、遺産分割で揉めないか頭を悩ませて、法務局の
予約を取って手続きに行く……」

これらをすべてご自身一人でこなそうとすると、膨大な時間と精神的エネルギーを消費してしまいます。

途中で疑問が出てくるたびに手が止まってしまうなら、最初から行政書士などのプロを頼るのが、結果
として一番良い選択になります。

理由①:将来のトラブルリスクを減らす「遺言の中身」をプロと一緒に作る

行政書士は、相続・遺言書類作成のプロです。「遺留分」などの法律ルールを考慮しながら、「誰に・どの
財産を・どんな表現で残せば、将来のトラブルを防ぎやすいか」を正確に整理し、法的に有効な原案を作成
します。

また、「なぜこの分け方にしたのか」という、あなたのご家族への温かいお気持ち(付言事項)を文面に残す
お手伝いもいたします。

理由②:手間がかかる戸籍集めや財産調査をしっかりサポート

遺言書を正しく書くには、ご自身の戸籍謄本や、不動産の権利関係(登記簿)、預貯金の正確な情報などを
揃える必要があります。平日に役所などを回って書類を集めるのは、想像以上に大変な作業です。

行政書士にお任せいただければ、これらの面倒な戸籍収集や財産リストの作成をスムーズに代行・サポート
いたします。

理由③:法務局の予約から提出書類の確認まで、ストレスなく伴走

法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用するには、事前の予約や専用の申請書の作成が必要です。

行政書士にお任せいただければ、申請書の作成はもちろん、法務局への予約等もしっかり伴走いたします。

あなたがすることは「プロと一緒に作った原稿を持って、予約日に法務局へ行き、本人確認を受けること」
だけです。

まとめ:大切なご家族へ「確かな安心」を届けましょう

自分で書く遺言書は、法務局の保管制度を活用することで「書き方の不備」や「死後の検認の手間」という
大きな壁を乗り越えることができます。

しかし、遺言書で最も重要なのは、形式だけでなく「残されたご家族が、あなたの想いを正しく受け取り、
笑顔で手続きを進められること」です。

 ・「自分の思いを、どう文章にすればいいか分からない」
 ・「法務局の保管制度を使ってみたいけれど、一人で手続きするのは不安」

そう思われた方は、ぜひ一度、行政書士にご相談ください。 あなたとご家族にとって最も楽で、最も安心
できる遺言書づくりを、私たちが心を込めてサポートいたします。

まずは「どんな財産があって、誰に残したいか」というフランクなお話からお聞かせください。ご連絡を
心よりお待ちしております。
         ⇓
「行政書士 飯塚正博 事務所のホームページ」

この記事を書いた人 Wrote this article

iizukamasahiro

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