「大切な家族が困らないように、遺言書を書いておこう」
ご家族への愛情にあふれた、素晴らしいお心掛けです。
ですが、良かれと思ってご自身で書いたその遺言書が、小さなミスのせいで、法的な効力
がない「ただのお手紙」になってしまう可能性があるとしたら……どうでしょうか?
「紙に希望を書いてハンコを押すだけでしょ?」「大した財産もないし」と思われるかも
しれません。しかし、日本の法律(民法)には、遺言書の書き方にとても厳しいルールが
あります。
例えば、パソコンで綺麗に印刷したり、日付を「吉日」と書いたりするだけで、その遺言書は
「無効」になってしまうのです。
せっかくの遺言書が無効になれば、ご家族は一から遺産分割の話し合いをしなければならず、
かえって大きな負担をかける結果になりかねません。
そこで今回は、あなたの想いを確実に届けるために「クリアすべき遺言書の条件」をわかり
やすく解説します。
ご家族とご自身の安心を守る「想いの伝わる遺言書の作成法」を知っておきましょう!
1.遺言書は誰でも書ける?知っておきたい「書く人」の条件
遺言書は「高齢になってから書くもの」と思っていませんか?実は法律上の条件は、意外な
ものになっています。
<15歳以上なら書けるけれど…落とし穴は「判断能力」>
民法のルールでは、15歳になれば親の同意なしで遺言書を書くことができます。
しかし、年齢よりも厳しくチェックされるのが「書く人の判断能力(意思能力)」です。
法律では、内容を正しく理解できない状態で結ばれた契約や遺言は「無効」になると決めら
れています。 もし認知症などが進んだ後に慌てて遺言書を書いても、亡くなった後に他の親族
から「あの時はもう正常な判断ができなかったはずだ」と疑われ、裁判トラブルになってしまう
可能性が少なくありません。
<「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちが一番の書き時です>
「うちはまだ元気だから早いよ」
そう思っているときこそ、実は遺言書のベストな書き時です。
病気や認知症になってからでは、せっかくの家族への想いを「法的に有効な形」で残すのが
難しくなる可能性があるからです。
心も体も元気で、自分の財産や家族への想いをしっかりと整理できる今だからこそ、価値の
ある遺言書が作れるのです。
ちなみに民法(第1022条)には、「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部
又は一部を撤回することができる」と定められていますので、一度遺言書を書いた後でも、気持ち
の変化や、家族構成の変化に応じて、遺言書を書き直すことができます。
2.要注意!「自筆証書遺言」の厳しすぎるルール
費用をかけずに自宅で書ける「自筆証書遺言」は、とても手軽な方法として人気があります。
しかし、手軽だからこそ法律で決められたルールが非常に厳しくなっています。
<「全文・日付・氏名の手書き」と「押印」が必要!>
自分で書く遺言書は、原則として「全文」「日付」「氏名」をすべて自分の手で書き、さらに
押印する必要があります。
「綺麗な方が読みやすいから」とパソコンで本文を作って印刷したり、家族に代わりに書いて
もらったりしたものは、その時点で無効です。
(※現在は法改正によって財産の目録などはパソコン作成も認められるようになりましたが、
一番大切な本文は今でも手書きが義務づけられています。)
最後に押すハンコも、押し忘れると「遺言書」として無効になってしまいます。
<「令和〇年〇月吉日」はNG?よくある身近な失敗例>
「手書きでしっかり書いたから大丈夫!」と思っていても、書き方一つで無効になるケースが
あります。
特に多いのが、日付に「令和〇年〇月吉日」と書いてしまう失敗です。
法律上は「遺言書を何月何日に書いたかが正確に特定できない」という理由で、せっかくの遺言書
がすべて無効になります。日付は必ず「〇年〇月〇日」と正確に書かなければなりません。
※遺言書を書き直した場合、後に書いた遺言書が有効となるため、正確な日付の記載が必要です。
ほかにも、仲良く夫婦連名で「二人で一枚の用紙に書く」といったケースも法律上はNGです。
※「民法975条:遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。」とあります。
このように、良かれと思ってやった工夫や、ほんの少しの勘違いが原因で、想いが届かなくなるリスク
が常に隣り合わせなのです。
3.もしルールに合致しない遺言書だったらどうなるの?
せっかく用意した遺言書に形式のミスがあった場合、現実にはどのような問題が起きるのでしょうか。
知っておきたい2つの真実をお伝えします。
<どんなに想いがこもっていても、法律上の効力は「ゼロ」に>
「家族に感謝を伝えたい」「妻に家を残したい」といった温かい想いがどれほど綴られていても、民法
のルールに合わない遺言書は、残念ながら法律上の効力が「ゼロ(無効)」になってしまいます。
例えば、預貯金や不動産の手続きのために、銀行や法務局にそのような遺言書を持っていっても、
「ルール通りではないので手続きできません」と言われてしまうのです。
<「遺産分割協議(全員での話し合い)が必要となります」>
遺言書が無効になると、残されたご家族には「遺産分割協議」という相続人全員での話し合いが必要と
なります。
遺言書がない状態と同じになるため、「誰がどの財産をどれだけ引き継ぐか」を全員で話し合って合意し、
必要書類を集めなければなりません。
仕事や家事で忙しいご家族にとって、親族間で連絡を取り合い合意を取り付けるのは時間的にも精神的
にも負担は小さくありません。だからこそ、遺言書は「無効にならない確実な方法」で作ることが大切
です。
4.大切な家族を守るために。一番楽で確実なのは「プロに任せる」こと
遺言書は、ご家族への温かいメッセージであると同時に、法律に基づいた重要な書類です。だからこそ、
すべてをご自身だけで抱え込まず、プロの力を上手に頼っていただくのが一番の近道です。
行政書士に依頼すれば、形式ミスによる「無効リスク」を完全に防げます
これまでお話しした通り、遺言書には手書きの方法や日付の書き方など、民法による厳格なルールがあり
ます。
行政書士にご相談いただければ、法律の要件をすべてクリアした「完璧な遺言書」を確実に作成できます。
実務の知識に基づき、あなたの大切な財産と家族への想いを、ミスなく法的に有効な書類へと仕上げます。
ご自身で悩む時間と家族の負担を考えたら、圧倒的にお得で安心です
慣れない法律のルールを自分で調べ、頭を悩ませながら遺言書を書くのは、想像以上に時間もエネルギーも
使いますよね。
もし、その遺言書にミスがあって亡くなった後に無効になってしまったら、残されたご家族は遺産をどう
分けるかの話し合いをしなければなりません。
忙しい日々の合間に親族間で連絡を取り合い、全員の合意を取り付けるのは、ご家族にとって大きな負担に
なります。
最初にプロに任せることで、あなた自身の「悩む時間」だけでなく、将来ご家族が背負うはずだった
「手続きの苦労や精神的なストレス」を丸ごとなくすことができます。そう考えると、専門家に依頼する
ことは、結果として一番コストパフォーマンスが良い選択だと言えます。
「こんなこと相談してもいいのかな?」と迷う必要はありません。あなたの想いを大切な人へ確実に届ける
ために、まずはお気軽にご相談ください。
⇓
「行政書士 飯塚正博 事務所のホームページ」